正直なところシャトー ヌフ・デュ・パフは苦手です。
おいしいパフを何度も経験していて、いいワインだと知っているのに苦手。
なぜ?
折りにふれ考えてきたけれど、やっと理由がわかりました。
ずばり!!
リリース直後の若いパフを飲むからだ。
若いパフはわかりにくいのだ!!!
…わりと あたりまえのことでスミマセン…
シャトー ヌフ・デュ・パフの主要品種は グルナッシュ、シラー、ムールヴェドルなど(ワイン法では13品種が許可されています。)
生産者ごとに使用割合が異なり、極端な例では、13品種すべて使うとか、逆にグルナッシュだけという人も。
多くの場合 先に挙げた3品種を中心にします。この3品種、甘みが強く、アルコール分が全面に出てくるという強烈な個性があります。
熟成に時間がかかるし、粗さが 目立ちます。
若いうちは 本当に 御しにくいワイン、単純に「美味しいね〜」と 言えないワインだと思うのです。
今まで飲んできて、文句なく美味しいと思ったパフは オールド ヴィンテージばかりです。
7、8年で「ようやく」の感じ、10年以上で「納得。だけど、もっともっと良くなるぞ」の感じです。
熟成したパフは 深みがあってエレガント、郷愁をさそうやさしい甘みが前に出てきます。
それを支える―いや、引き立てあうように 隠された骨格も現われています。
ココアパウダー、エスプレッソ、きのこ、腐葉土、獣の匂い…。
エキゾチックで 魅力的。
強さを強さと感じないのは 複雑な香味があるからです。
口いっぱいに ひろがる味わいにうっとり、香が逃げないように息を止めようかと思うほど おいしい…。
と いうことで、私が 心底おいしいと思ったパフを、どうぞ。
まさに 今飲み頃、これこそがオールドヴィンテージ。
おすすめです。

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