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RDCINI

メルロ 2020年 ラダチーニ

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1,210
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モルドヴァ ヴァルル・ルイ・トライアン 赤 750ml スクリュー・キャップ


ところでモルドヴァの位置ですが、東欧ルーマニアとウクライナの間の小国。面積は日本の1/10ほど。緯度はボルドーより少し高いほど、気候はブルゴーニュに似ているとか。土壌は大穀倉地帯ウクライナの黒土と同じ沖積土、水はけは良さそうです。

歴史的に見ても、ヨーロッパ系葡萄 ヴィニフェラの原産地にあたる黒海沿岸周辺ですから、産地としてのポテンシャルは折り紙つき。かつてフランス人入植者を受け入れた経緯から植えられる葡萄は正銘のヴィニフェラが占めており、ソ連邦への一大ワイン供給地でした。最盛期はソ連邦の全ワイン需要の1/5を供給していました。ゴルバチョフによるアルコール禁止令以前は全国土の10%が葡萄畑であったそうです(笑)。
そしてソ連邦の崩壊後に産業としての葡萄栽培は自由を得たようです。ただし作付け面積はかつての半分以下になったようです。
また、民族はルーマニア人が多いようですが、軍事的に中立国のままEU加盟を目指しているようです。複雑な地政学的な立地が影響しているようですね。
そんなこんなでEUのワイン法に沿った原産地表示保護制度作り、90年代後半にはモルドバのワイン産業は欧州投資銀行から数百万ユーロの投資を受けた他、ロシアやイタリア等からもかなりの額の投資がありました。
このラダチーニ・ワインズはまさにこれ(笑)。
1998年に設立したアルバストレレ・ワインズ。外資の支援を受け設備やワイン造りの近代化を成しました。コドゥル、ステファン・ヴォーダ、バルル・ルイ・トライアンの地理的表示保護制度を受ける中心的なワイン産地に1000ヘクタールもの自社畑をもち、20箇所を越える醸造場を備えます。いきなりこんな会社が出来ちゃいますから、元々のワイン産業の規模が想像出来ますね(笑)。ソ連時代の巨大農場の名残でもありますね。
このラダチーニ・ワインズはその1ブランドのようです。

このワイン、ヴァルル・ルイ・トライアンで造られるメルロ100%。土壌は半乾燥
気候下の草原に発達する黒土土壌チェルノーゼム。石灰分に富む肥沃な軽いローム質の炭酸黒土とか。関東ローム層の最上部のソフト・ロームみたいなものかな(笑)?
手摘みされたメルロを14℃で8日間アルコール発酵、そして20℃で8日間マロラクティック発酵。その後6ヶ月の熟成。すべてステンレス・タンクを使用。
醸しの期間は16日と短めながらしっかりした味わい。もともとの葡萄栽培の良さ、収量の低さ故ですね。自信がなければ出来ませんね(笑)。
調べると1本の葡萄樹からフル・ボトル1本半ほどの果汁しか得ていません。しかもプレス果汁は使いません。(歩留まりは50%ほど)
小粒のプラムやフランボアーズの完熟した果実がみっちり(笑)。一口でメルロと解りますが、何処のメルロと聞かれると困る(笑)。オリジナリティのあるメルロですね。あとラダチーニらしい透明感のあるタンニンはシルキーで上等(笑)。フリーラン由来の旨味が全体を高級に演出。この価格帯ではずば抜けた品質。これこそモルドヴァの産地としての優位性を実感させるもの!恐るべしモルドヴァなのです(笑)。
すべてのワイン・ファンは飲むべし!新たな神話を予感させます。
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